- 【業種】
- 情報・通信業
- 【市場】
- グロース(内国株式)
- 【決算期】
- 5月
- 【会社設立】
- 【上場】
- 2023.12
- 【直近決算日】
- 2025-04-11(3Q)
- 【決算予定日】
- 2025-07-11 (16:30)
- 【時価総額】
- 922億1500万円
- 【PBR】
- 9.94倍
- 【配当利回り(予)】
- 0%
従来の光学衛星の限界を克服するため、夜間や悪天候下でも観測が可能なシステムを提供し、36機体制の衛星コンステレーションを目指している。
これにより、地球上の任意の地点を平均10分ごとに観測できる将来を視野に入れている。
また、官公庁や民間企業向けに観測データの販売を行い、特に防災・安全保障の分野での需要が高まっている。
加えて、地元九州の企業と連携し、地域の宇宙産業の育成にも寄与している。
年度 | タイプ | 日付 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
---|---|---|---|---|---|---|
2025-05 | 新規 | 2024-07-12 | 3,160 | 10 | -290 | -310 |
変更 | 2024-09-27 | 3,160(→) | 290(⬆) | 30(⬆) | -1,620(⬇) | |
変更 | 2025-01-14 | 2,850(⬇) | 20(⬇) | -320(⬇) | -1,960(⬇) |
2【沿革】
2005年6月に、九州大学(現国立大学法人九州大学)の教授時代に宇宙機ダイナミクスに関する研究を行っていた当社創業の中心者である八坂哲雄は、1995年からスタートした九州大学での小型衛星開発の技術を伝承し、九州の地に宇宙産業を根付かせるべく、同じく九州大学の教授で無人航空機に関する研究を行っていた櫻井晃及び当時三菱重工株式会社のロケット開発者であった舩越国弘に協力を仰ぎ、3名で当社を設立いたしました。
年月 | 概要 |
2005年6月 | 福岡県福岡市に有限会社QPS研究所(資本金3,000千円)を設立 |
2014年11月 | 当社が参画したプロジェクトにて超小型衛星QSAT-EOS(愛称「つくし」)(※1)をロシアのオレンブルク州ヤースヌイ宇宙基地から打上げ成功 |
2016年4月 | 株式会社に組織変更 |
2019年6月 | 「衛星リモートセンシング(※2)衛星装置使用許可」を取得 |
2019年12月 | 小型SAR(※3)衛星1号機「イザナギ」をインドのサティッシュ・ダワン宇宙センターからPSLV(Polar Satellite Launch Vehicle)で打上げ成功 |
2020年2月 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(東京都調布市、以下、「JAXA」という。)と、「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ」(J-SPARC)(※4)のもと、「小型SAR衛星コンステレーション(※5)による準リアルタイム(※6)データ提供サービスの事業コンセプト共創」に関する覚書を締結し、共同実証を開始 |
2021年1月 | 小型SAR衛星2号機「イザナミ」をアメリカのケープカナヴェラル空軍基地からSpaceX社のFalcon 9で打上げ成功 |
2021年2月 | 「イザナミ」による地球観測データ取得並びに初画像化に成功 |
2021年5月 | 「イザナミ」による高精細モード(分解能(※7)0.7m)の地球観測データ取得並びに画像化に成功 |
2021年6月 | 九州電力株式会社(福岡県福岡市中央区)及びJAXAと、J-SPARCのもと、小型SAR衛星コンステレーションによる準リアルタイムデータ提供サービスの実現並びに同データを活用したインフラ管理業務の高度化・効率化や新たなサービス創出に向けた覚書を締結し、共同実証を開始 |
2021年11月 | スカパーJSAT株式会社(東京都港区)及び日本工営株式会社(東京都千代田区)と業務提携契約を締結 |
2021年12月 | 地球観測画像の販売開始 |
2022年3月 | 防衛省「画像データの取得(その12-2)」に採択 |
2022年4月 | 内閣府「令和4年度 小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証」に採択 |
2022年8月 | 株式会社ウェザーニューズ(千葉県千葉市)、九電ビジネスソリューションズ株式会社(福岡県福岡市中央区、現Qsol株式会社)、及び九州電力株式会社と、高精度な海氷情報を活用した船舶の運航を支援するサービス創出に向けた覚書を締結し、共同実証を開始 |
2022年10月 | 小型SAR衛星3号機及び4号機を鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所からイプシロンロケット6号機で打上げ失敗 |
2022年12月 | JAXAと、「超小型LバンドSAR衛星の検討及び試作試験」に関する研究開発契約を締結 |
2022年12月 | JAXAの「小型技術刷新衛星研究開発プログラムの新たな宇宙利用サービスの実現に向けた2024年度軌道上実証に係る共同研究提案要請」において当社提案が採択 |
2023年3月 | 防衛省「HGVや地上の観測に資する小型衛星システムの機能等の向上に関する調査研究」に採択 |
2023年3月 | 内閣府「令和5年度 小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証」に採択 |
2023年6月 | 小型SAR衛星6号機「アマテル-Ⅲ」をアメリカのヴァンデンバーグ宇宙軍基地からSpaceX社のFalcon 9で打上げ成功 |
2023年7月 | 「アマテル-Ⅲ」による高精細モード(分解能 0.46m)の地球観測データ取得並びに画像化に成功 |
2023年10月 | 経済産業省の中小企業イノベーション創出推進事業に当社の「高分解能・高画質且つ広域観測を実現する小型SAR衛星システムの実証」が採択 |
2023年12月 | 東京証券取引所グロース市場に株式を上場 小型SAR衛星5号機「ツクヨミ-I」をニュージーランドの民間軌道発射場からRocket Lab社のエレクトロンで打上げ成功 東京海上日動火災保険株式会社(東京都千代田区)と、同社のリスクマネジメント・デジタルプラットフォーム内において、衛星データを活用したサービス開発に向けた協業を開始 |
2024年2月 | 「ツクヨミ-I」による高精細モード(分解能 0.46m)の地球観測データ取得並びに画像化に成功 |
2024年3月 | 防衛省「宇宙領域の活用に必要な共通キー技術の先行実証に向けた衛星の試作」に採択 |
2024年4月 | 内閣府「令和6年度 小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証」に採択 小型SAR衛星7号機「ツクヨミ-Ⅱ」をアメリカのケネディ宇宙センターからSpaceX社のFalcon 9で打上げ成功 国土交通省「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3)」2件に採択 |
2024年5月 | 「ツクヨミ-Ⅱ」による高精細モード(分解能 0.46m)の地球観測データ取得並びに画像化に成功 防衛省「宇宙領域の活用に必要な共通キー技術の先行実証に向けた衛星の打上げ」に採択 |
本項「2沿革」にて使用しております用語の定義について以下に記します。
No | 用語 | 用語定義 | ||||||||||
1 | 超小型人工衛星QSAT-EOS (愛称「つくし」) | 地球観測超小型衛星QSAT-EOS(愛称「つくし」)は、九州大学が開発してきた科学観測衛星の技術を元に、佐賀大学、鹿児島大学、九州工業大学、当社並びに九州内企業との協力関係をベースにして、地球観測ミッションの実現を図ったもの。サイズは縦横高さがいずれも約50cmで質量は約50kgと超小型衛星となっています。「災害監視の地球観測ミッション」と「超小型人工衛星の汎用バス開発」が主ミッションとなっています。 | ||||||||||
2 | 衛星リモートセンシング | 宇宙という非常に高いところから地球を観測している地球観測衛星は、環境問題の解明や災害監視、資源調査等を目的として、地球の様子を常に観測しています。また、これらの観測結果は、衛星画像データとして提供され、地球に関する様々な情報を読み取ることができ、地球環境の解明研究等に有効活用されています。 地球観測衛星等のように遠く離れたところから、対象物に直接触れずに対象物の大きさ、形及び性質を観測する技術をリモートセンシングといいます。対象物に直接触れることなく観測できるのは、観測を行う対象物が反射したり、放射したりしている光等の電磁波の特性を利用しているからです。観測の対象物が反射したり、放射したりしている光等の電磁波は、地球観測衛星に載せられたセンサー(「観測機器」ともいいます。)で受けとめています。 地球観測衛星によるリモートセンシングには、以下のような特徴があります。 ・広い範囲を一度にとらえることができる。 ・同じ地域を長期にわたって観測することができる。 ・直接現地に行かなくても、状態を知ることができる。 ・人間の目で見ることができない情報(温度など)を知ることができる。 衛星のリモートセンシングでは、衛星の軌道やセンサーの性能、通信容量などの制約により、一度に観測できる観測幅(空間範囲)とその範囲をどの程度精密に観測できるかを示す空間分解能(空間単位)はトレードオフの関係になります。そのため、観測の対象や目的に応じて、適切な空間分解能や観測幅を選択することが重要になりますが、地球規模の環境観測では、空間分解能を抑え、観測幅を優先することで、広範囲を高頻度に観測できるようシステムを設計することになります。 地球を対象とした衛星リモートセンシングによって得られるデータは、悪用されると国の安全保障上の利益を害するおそれがあることもあり、衛星リモートセンシング記録の適正な取扱いの確保に関する法律(平成28年法律第77号)(以下「リモセン法」という。)という法律によってルールが設けられています。 これら衛星リモートセンシングによりデータを扱う業者は、予めリモセン法に基づく「衛星リモートセンシング装置使用許可」の認可を取得する必要があり、当社は、宇宙ベンチャーとして初の認可を内閣府より2019年6月に取得いたしました。 なお、「リモートセンシング装置使用許可」に関する分解能の基準は以下のとおりとなります。 | ||||||||||
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(注) センサー毎に分解能の基準値を設け、その基準値を超えた場合にのみ規制の対象となります。 |
センサーの種類 | 閾値 |
光学センサー | 2m以下 |
SARセンサー | 3m以下 |
ハイパースペクトルセンサー | 10m以下で、かつ、検出できる波長帯が49を超えること |
熱赤外線センサー | 5m以下 |