- 【業種】
- 陸運業
- 【市場】
- プライム(内国株式)
- 【決算期】
- 3月
- 【会社設立】
- 【上場】
- 2024.10
- 【直近決算日】
- 2025-04-28(4Q)
- 【決算予定日】
- 2025-07-31 (15:30)
- 【時価総額】
- 9824億7100万円
- 【PBR】
- 1.37倍
- 【配当利回り(予)】
- 2.48%
運輸業では、東京都区部を中心に9路線からなる地下鉄ネットワークを運行し、鉄道の保守管理や駅の運営も行う。
関連する不動産事業では、当社路線沿線でオフィスビルやホテルの賃貸を手掛け、シナジー効果を生かす取り組みを進めている。
流通・広告事業では、駅構内の商業施設運営や広告事業、そして情報通信事業を展開し、多角的な収益源を確保している。
さらに、福利厚生施設の運営や人事関連業務も手掛けることで、総合的なサービスを提供している。
年度 | タイプ | 日付 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
---|---|---|---|---|---|---|
今期 | 新規 | 2025-04-28 | 420,600 | 88,700 | 77,400 | 58,200 |
2【沿革】
(1)提出会社の沿革
当社は、東京地下鉄株式会社法(平成14年法律第188号)に基づき、帝都高速度交通営団(以下「営団」といいます。)の財産の全部を現物出資により引継ぎ、営団の一切の権利及び義務を承継して2004年4月1日に設立されました。なお、参考として、営団の「沿革」を以下にあわせて記載します。
年月 |
摘要 |
2004年4月 |
東京地下鉄株式会社法により、東京地下鉄㈱設立 |
10月 |
㈱メトロフルール設立 |
2006年4月 |
㈱メトロプロパティーズ設立 |
10月 |
㈱地下鉄ビルデイング(東京メトロ都市開発㈱)、㈱メトロセルビス、㈱メトロコマース及びメトロ開発㈱の4社について、それぞれの事業を会社分割により同名の新会社に継承させ、当社を存続会社として分割会社を吸収合併 |
2007年2月 |
㈱メトロアドエージェンシー設立 ㈱メトロレールファシリティーズ設立 |
3月 |
ICカード乗車券「PASMO」のサービス開始 |
2008年6月 |
副都心線運輸営業開始・全線開通 |
2011年11月 |
日本コンサルタンツ㈱設立 |
2013年4月 |
㈱地下鉄ビルデイング(東京メトロ都市開発㈱)及び㈱メトロスポーツの2社について、㈱地下鉄ビルデイング(東京メトロ都市開発㈱)を存続会社として㈱メトロスポーツを吸収合併 |
2017年3月 |
ベトナム国にベトナム東京メトロ(VIETNAM TOKYO METRO ONE MEMBER LIMITED LIABILITY |
4月 |
㈱メトロステーションファシリティーズ設立 |
|
㈱メトロビジネスアソシエ設立 |
2024年4月 |
東京メトロアセットマネジメント㈱設立 |
10月 |
東京証券取引所プライム市場に上場 |
12月 |
東京メトロエデュケーショナル㈱設立 |
(2)営団の沿革
年月 |
摘要 |
1941年3月 |
帝都高速度交通営団法公布 |
7月 |
帝都高速度交通営団法に基づき、特殊法人として、帝都高速度交通営団設立(設立時の営業キロは現銀座線14.3キロ) |
8月 |
東京地下鉄道㈱及び東京高速鉄道㈱から営業線(現銀座線)、東京市等から地下鉄道の免許線を譲受 |
9月 |
帝都高速度交通営団として営業開始 |
1946年12月 |
日観興業㈱(㈱メトロセルビス)設立 |
1948年8月 |
新日本観光㈱(㈱はとバス)設立 |
1954年1月 |
丸ノ内線運輸営業開始 |
1956年6月 |
財団法人地下鉄互助会(公益財団法人メトロ文化財団)設立 |
1957年12月 |
銀座地下鉄興業㈱(㈱メトロコマース)設立 |
1961年3月 |
日比谷線運輸営業開始 |
1962年3月 |
丸ノ内線全線開通 |
1963年2月 |
㈱地下鉄ビルデイング(東京メトロ都市開発㈱)設立 |
1964年8月 |
日比谷線全線開通 |
12月 |
東西線運輸営業開始 |
1968年3月 |
メトロ高架㈱(メトロ開発㈱)設立 |
9月 |
㈱メトロ給食センター(㈱メトロライフサポート)設立 |
1969年3月 |
東西線全線開通 |
12月 |
千代田線運輸営業開始 |
1974年10月 |
有楽町線運輸営業開始 |
1978年8月 |
半蔵門線運輸営業開始 |
1979年12月 |
千代田線全線開通 |
1981年4月 |
㈱地下鉄メインテナンス設立 |
1984年4月 |
メトロ車両㈱設立 |
1988年4月 |
メトロカードを新発売 |
6月 |
有楽町線全線開通 |
年月 |
摘要 |
1991年11月 |
南北線運輸営業開始 |
NSメトロカードを新発売 |
|
1995年3月 |
㈱メトロスポーツ設立 |
1996年3月 |
SFメトロカードを新発売(都営地下鉄と共通化) |
1997年1月 |
渋谷熱供給㈱設立 |
1999年3月 |
㈱渋谷マークシティ設立 |
2000年9月 |
南北線全線開通 |
10月 |
共通乗車カードシステム(パスネット)を導入 |
2002年1月 |
鉄道事業法に基づく認定鉄道事業者制度の一般認定(鉄道土木/鉄道電気/車両)を取得 |
12月 |
東京地下鉄株式会社法公布 |
2003年3月 |
半蔵門線全線開通 |
2004年4月 |
帝都高速度交通営団法廃止 営団解散 |
(3)当社の完全民営化について
東京における地下鉄は、1920年8月29日に創立した当社の前身である民間会社の東京地下鉄道株式会社により、1927年12月30日東洋初の地下鉄として浅草~上野間を開業したことに始まりますが、民間会社では、巨額の資金を必要とする新線建設を進めることは困難でありました。このような情勢の中で、当社の前身である営団は、東京都の区の存する区域及びその付近における交通機関の整備拡充を図るため、地下鉄を建設運営することを目的として、1941年7月4日に設立されました。以来、設立から62年余り、営団は設立目的に従い、地下鉄の建設及び運営を行ってきました。
政府の行政改革の一環として、営団の完全民営化の方針が初めて示されたのは、臨時行政改革推進審議会が1986年6月10日に答申した「今後における行財政改革の基本方向」においてでした。当時は地下鉄ネットワークが整備途上であったこともあり、具体的措置は実施されませんでしたが、南北線、半蔵門線の全区間が着工され、地下鉄ネットワークがほぼ概成される見込みとなったことを受け、1995年2月24日に閣議決定された「特殊法人の整理合理化について」において、営団は完全民営化の第一段階として当時建設中の南北線及び半蔵門線が完成した時点を目途に特殊会社化することとされました。
その後、南北線が全線開業し、半蔵門線についても2003年春に開業が見込まれるという状況の中、特殊法人等改革基本法(平成13年法律第58号)に基づき、2001年12月19日に閣議決定された「特殊法人等整理合理化計画」において、営団について以下のとおり明記されました。
特殊法人等整理合理化計画(平成13年12月19日閣議決定)(抄)
帝都高速度交通営団
完全民営化に向けた第一段階として、現在建設中の11号線が開業した時点から概ね1年後(平成16年春の予定)に特殊会社化する。
この計画の決定を受け、東京地下鉄株式会社法案が第155回国会に提出され、2002年12月11日に成立し、同18日に公布、施行されました。これにより、2004年4月1日、東京地下鉄株式会社が設立されることとなりました。
さらに、上記の「特殊法人等整理合理化計画」を受け、東京地下鉄株式会社法附則第2条においても、「国及び東京都は、特殊法人等整理合理化計画の趣旨を踏まえ、この法律の施行の状況を勘案し、できる限り速やかにこの法律の廃止、その保有する株式の売却その他の必要な措置を講ずるものとする」旨規定されており、また、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法においては、令和9年度までに生じた政府が保有する当社株式の売却収入は、復興債の償還費用の財源に充てることとされています。こうした背景から、当社は、株式上場に向けた準備を進めてきました。
その後、2021年7月15日に交通政策審議会が答申した「東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方等について」(交通政策審議会答申第371号)において、東京8号線の延伸(有楽町線延伸(豊洲・住吉間))や都心部・品川地下鉄構想(南北線延伸(品川・白金高輪間))の必要性が示され、事業主体は当社が適切であるとされました。また、当社が両路線の事業主体になることが完全民営化の方針に影響を与えないよう、「事業主体となることと一体不可分のものとして東京メトロ株式の確実な売却が必要」であり、また、当社株式の売却に当たっては、当社の役割を踏まえ段階的に進めていくこと、具体的には、国及び東京都が当面当社株式の2分の1を保有することが適切であり、その後の当社株式の売却について国と東京都は、これまでの閣議決定や法律において完全民営化の方針が規定されていることを堅持しつつ、その中で、首都の中枢エリアを支える地下鉄の公共性や地下鉄ネットワーク整備の進展を踏まえながら対応することが求められるとの考え方が示されました。
さらに、2022年3月28日に財政制度等審議会が答申した「東京地下鉄株式会社の株式の処分について」及び同日に東京都が公表した「東京地下鉄株式会社の株式の処分の基本的な考え方」において、売却株式数については、「新規公開時においては、売出人である財務省及び東京都が同時・同率にてその保有する株式の2分の1を売却すること」及び「その後の売却においては、国と東京都の協議を踏まえて対応すること」が適当であるという考え方が示されました。この方針に沿って、2024年10月23日、財務大臣及び東京都が保有する当社株式の2分の1については、売出しが実施されました。
当社は、同日に東京証券取引所プライム市場へ上場しましたが、前述の法律の規定及び答申の内容に基づき関係者と連携しながら、引き続き完全民営化に向けた取組を進めていきます。