9348 ispace 企業サイト   Yahooファイナンス 日経新聞 株探 四季報 

基本データ
【業種】
サービス業

【市場】
グロース(内国株式)

【決算期】
3月

【会社設立】

【上場】
2023.4

【直近決算日】
2025-05-09(4Q)

【決算予定日】
2025-08-08 (15:45)


【時価総額】
584億3800万円

【PBR】
8.49倍

【配当利回り(予)】
0%

企業概要
当社は「Expandourplanet.Expandourfuture.」というビジョンのもと、次世代の民間宇宙企業として月面開発に取り組んでいる。
主要な事業は、ペイロードサービス、データサービス、パートナーシップサービスの3つに分類される。
ペイロードサービスでは、顧客の物品を月面に輸送するプロジェクト「HAKUTO-R」の下、独自開発したランダーとローバーを使用している。
データサービスは、月面での観測データの収集と解析を目的としており、将来的には大規模なデータベースをクラウド上に構築し顧客へのアクセスを提供することを目指す。
パートナーシップサービスでは、企業との協業を通じて、広告やデータ利用権のパッケージ販売を行い、持続可能な月面経済圏の確立に貢献していく。

業績修正履歴
年度タイプ日付売上高営業利益経常利益純利益
2024-03新規2023-05-156,196-7,118-7,885-7,889
変更2023-09-283,050()-7,182()-8,297()-4,504()
変更2024-02-132,370()-5,906()-7,144()-3,348()
2025-03新規2024-05-104,033-13,165-12,462-12,466
変更2025-02-124,467()-9,872()-10,774()-10,763()
今期新規2025-05-096,200-11,500-8,300-8,300
2025年06月26日更新

2【沿革】

当社グループの創業者である袴田武史は、米大学院で航空宇宙工学修士号を取得後、経営コンサルティング会社を経て、民間による月面探査車(以下、「ローバー」という。)開発及び、世界初の民間月面探査レース「GoogleLunarXPRIZE」への参加を目指し、2010年9月に合同会社ホワイトレーベルスペース・ジャパン(現当社)を設立いたしました。その後、ローバー開発及び資金調達面で提携していた欧州のホワイトレーベルスペース財団が「GoogleLunarXPRIZE」から脱退したことを受け、2013年5月に組織変更を行い、現在の株式会社ispaceに社名を変更した後、2013年7月に「GoogleLunarXPRIZE」に日本唯一のチーム「HAKUTO」として独自に参加いたしました。

当社グループは、将来の米国進出に向けて2015年1月に米国デラウェア州にispacetechnologies,inc.を設立し、当社を子会社化する組織変更を実施しましたが、2016年10月には、日本での事業化加速を優先するために親会社であるispacetechnologies,inc.を解散の上、当社を親会社とした上で改めて子会社ispacetechnologiesU.S.,inc.を米国デラウェア州に設立し、NASAAmesResearchPark(米国カリフォルニア州)内にオフィスを設置しました。なお、2020年12月には米国子会社において月着陸船(以下、「ランダー」という。)の開発を実施するための体制を構築するため、子会社ispacetechnologiesU.S.,inc.のオフィスをコロラド州デンバーに移転しております。また2017年3月には、ルクセンブルク大公国政府との間で月の資源開発に関する覚書を締結し、子会社ispaceEUROPES.A.をルクセンブルク市に設立しております。直近では、当社事業運営上必要となる電波法に係る無線免許の取得及び電波利用を実施するための子会社として、株式会社ispaceJapanを2021年7月に設立し、現在に至っております。

資金調達面では、2017年12月から2018年2月にかけてシリーズAとして国内過去最高額、また、宇宙分野のシリーズAとしては世界過去最高額(いずれも2018年2月当時)となる103.5億円の新株発行による資金調達を行いました。その後、2020年のシリーズB、2021年のシリーズCの資金調達を経て、2023年4月には、グロース市場に上場しております。上場後も、2024年3月には海外募集を、2024年10月から2025年3月にかけては第三者割当増資を実施し、累計で415億円の新株発行による資金調達を実施しております。また、2021年5月には複数行と総額19.5億円の借入を実行、2022年7月には総額50億円のシンジケートローン契約を締結の上、本件融資を実行しております。続く2024年3月期においては、複数行と融資契約を締結し総額75億円の借入を実行、2025年3月期には総額100億円のシンジケートローン契約を含め、借換も含めて総額193億円の融資契約を締結し実行しております。進行期である2026年3月期も、2025年5月に株式会社三井住友銀行と100億円、株式会社みずほ銀行と50億円の融資契約をそれぞれ締結し実行し、本書提出日現在までに創業以来の累計値で496億円の融資契約を締結し実行しております。これらの資金を原資としたランダー及びローバーの開発並びに当社ミッションの実行を進めると同時に、事業化のための市場と顧客の開拓を行っております。

年月

事項

2010年1月

当社代表取締役CEOの袴田武史が東北大学吉田和哉教授とともに日本からGoogle Lunar XPRIZE(注1)参加の検討を開始

2010年9月

合同会社ホワイトレーベルスペース・ジャパン(現 当社)を埼玉県入間市に設立

2011年8月

Google Lunar XPRIZE向けの月面探査車(ローバー)のプロトタイプを発表

2013年5月

合同会社を株式会社に組織変更し、社名を株式会社ispaceに変更

2013年7月

Google Lunar XPRIZEに日本唯一の参加チーム「HAKUTO」(注2)として始動

2015年1月

「HAKUTO」で開発するローバーが宇宙空間でも機能する性能を持つことが評価され、Google Lunar XPRIZEの中間賞を受賞

2015年1月

米国デラウェア州にispace technologies, inc.を設立し、株式会社ispaceを子会社化する組織変更を実施

2015年8月

業容拡大に伴い、本社を東京都港区麻布台に移転

2016年4月

月面開発事業への本格進出に向け、月着陸船(ランダー)の開発に着手

2016年10月

インキュベイトファンド株式会社及び株式会社日ノ樹よりコンバーティブル・エクイティで2億円を調達

2016年10月

日本での事業化加速のため、米国本社ispace technologies, inc.を解散の上、株式会社ispaceを本社に変更

2016年10月

新規に子会社ispace technologies U.S., inc.(連結子会社)を米国デラウェア州に設立し、NASA Ames Research Park(米国カリフォルニア州)内にオフィスを設置

2017年3月

ルクセンブルク大公国政府と月の資源開発に関する覚書を締結し、子会社ispace EUROPE S.A.(連結子会社)を設立

2017年12月

月着陸船(ランダー)開発のために101.5億円の資金調達(シリーズA)を実施

2018年2月

シリーズAの追加ラウンドとして2億円(累計103.5億円)の資金調達を実施

2018年3月

Google Lunar XPRIZEの終了に伴い、HAKUTOプログラムを終了

2018年7月

業容拡大に伴い、本社を東京都港区芝に移転

2018年9月

月面探査の技術検証ミッション「HAKUTO-R」(注3)プログラムの立上げ及びSpace Exploration Technologies Corp.(以下、「SpaceX社」という。)のファルコン9ロケットで相乗りでの打上げを公表

2018年11月

NASAによる月面輸送サービスの商業的購買プログラムであるCommercial Lunar Payload Serviceに米国The Charles Stark Draper Laboratory, Inc.のチームとして選定

2019年5月

European Space Agency(以下、「ESA」という。)との間で、月資源利用の実証に向けたミッション「In-Situ Resource Utilization」(ISRU)の事前検討に係る契約を締結

2019年7月

子会社のメンバーが、ESAの月の水探査を目指すプロジェクト(PROSPECT)のサイエンスチームに選出

2020年7月

月着陸船(ランダ―)開発のために追加で30億円の資金調達(シリーズB)を実施

2020年12月

ispace technologies U.S., inc.のオフィスをカリフォルニア州からコロラド州デンバーへ移転

2020年12月

ミッション・コントロール・センター(月着陸船及び月面探査車を地球から操縦するための管制室)を東京都中央区日本橋に開設

2020年12月

NASAによる月面で採取した月のレゴリス(砂)の販売に関する商取引プログラムに、当社とispace EUROPE S.A.が採択される

2020年12月

シリーズBの追加ラウンドとして5億円(累計35億円)の資金調達を実施

2021年2月

業容拡大に伴い、本社を東京都中央区日本橋浜町に移転

2021年5月

国内大手銀行4行から、総額19.5億円の借入を実行

2021年7月

東京都中央区に株式会社ispace Japanを設立

2021年7~8月

月着陸船開発のために追加で53.1億円の資金調達(シリーズC)を実施

2021年10月

シリーズCの追加ラウンドとして2.5億円(累計55.6億円)の資金調達を実施

2021年12月

子会社ispace EUROPE S.A.がESAの月面輸送サービスパイロットプログラムにAriane groupと共同採択される

2022年7月

ispace technologies U.S., inc.がチャールズ・スターク・ドレイパー研究所(以下、「ドレイパー研究所」という。)を中心とするチームの一員としてNASAの商業的物資輸送プログラム(Commercial Lunar Payload Services、以下、「CLPS」という。)のタスクオーダーCP-12のサービスプロバイダーに採択される

2022年7月

金融機関各行より総額50億円の借入を実行

2022年12月

民間月面探査プログラムミッション1の打上げをフロリダ州ケープカナベラル宇宙基地より実施

2023年4月

東京証券取引所グロース市場に株式を上場し、65.1億円の資金調達を実施

2023年4月

ミッション1マイルストーンのSuccess8までを完了、Success9の完了が困難と判断

2023年12月

SBIR制度の公募テーマ「月面ランダーの開発・運用実証」において、補助対象事業として採択され、補助金120億円の交付決定通知書を受領

2024年1月

金融機関各行より、2024年3月期の総額として75億円の借入を実行

2024年3月

海外募集により83.6億円の資金調達を実施

2024年4月

株式会社三井住友銀行より借換も含めた総額70億円の融資契約を締結

2024年7月

金融機関各行より総額100億円の借入を実行

2024年9月

ルナ・アドバイザリー・ボードの創設を発表

2024年10月

Heights Capital Management, Inc.に対する第三者割当による普通株式及び新株予約権の発行

2024年11月

株式会社三井住友銀行がHAKUTO-Rオフィシャルパートナーとして参画

2025年1月

Mission2“SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON”の打上げを実施

2025年4月

宇宙戦略基金(第1期)として公募された「月面の水資源探査技術(センシング技術)の開発・実証」に、当社が連携機関として参画する研究開発課題「テラヘルツ波リモートセンシング衛星による月地下浅部の資源探索」が採択

2025年5月

株式会社三井住友銀行から100億円、株式会社みずほ銀行から50億円の借入を実行

2025年6月

Mission2“SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON”のSuccess9である月面着陸の完了が困難と判断

(注)1.Googleがスポンサーとなり、Xプライズ財団によって開催、運営された世界初の民間月面探査レースであります。

2.当社運営のGoogleLunarXPRIZEに向けた月面探査チームであり、名称は日本古来の「月にはウサギがいる」という伝承に因んだ「白兎」に由来しております。

3.「HAKUTO-R」プログラムは、米国Google社がスポンサーとなりXプライズ財団によって開催、運営された世界初の民間月面探査レース「GoogleLunarXPRIZE」に、当社が日本から唯一参加して挑んだ際のチーム名称「HAKUTO」に由来しております。当該レースは最終的に参加全チームが期日内の打上げを達成できず、勝者のないまま期限切れにより終了しておりますが、チーム「HAKUTO」は、最終選考の5チームに選ばれ、2015年1月には開発するローバーが宇宙空間でも機能する性能を持つとして高い評価を受け、モビリティ部門における中間賞(賞金50万米ドル)を受賞いたしました。レース終了後、HAKUTOを応援していただいた多くの皆様の想いを継承しつつ、初心に立ち返って、日本初の民間月面探査実現への挑戦を”R”eboot(再起動)するという想いを込め、当社ミッション1及びミッション2からなる技術実証ミッションを「HAKUTO-R」と呼称しております。なお、ロゴは、HAKUTOでモチーフとした白いうさぎと頭文字の「H」を継承しながら、さらに一筆書きできる曲線によって地球から月へ向かうランダーの軌道と月面を表現しております。