- 【業種】
- 化学
- 【市場】
- プライム(内国株式)
- 【決算期】
- 3月
- 【会社設立】
- 【上場】
- 2002.12
- 【直近決算日】
- 2025-04-25(4Q)
- 【決算予定日】
- 2025-07-25 (16:00)
- 【時価総額】
- 184億1400万円
- 【PBR】
- 1.3倍
- 【配当利回り(予)】
- 4.15%
主力製品には、プリント基板、コネクタ、リードフレームに使用される金、銀、パラジウムのめっき薬品があり、プロセスアドバイスやアフターフォローも含む総合的な提案を行っている。
経営理念として「化学の好奇心でエレクトロニクスに役立てる」を掲げ、環境に配慮した製品開発や人的資本の育成を重視。
さらに、技術者が直接市場のニーズに応えることで、迅速かつ高品質なサービスを提供しており、持続可能な発展を目指した戦略を推進している。
年度 | タイプ | 日付 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
---|---|---|---|---|---|---|
2023-03 | 新規 | 2022-04-25 | 20,000 | 1,210 | 1,350 | 975 |
変更 | 2022-10-25 | 18,500(⬇) | 800(⬇) | 950(⬇) | 680(⬇) | |
変更 | 2023-04-18 | 16,250(⬇) | 560(⬇) | 750(⬇) | 560(⬇) | |
2024-03 | 新規 | 2023-04-25 | 16,500 | 700 | 850 | 600 |
変更 | 2023-10-24 | 13,500(⬇) | 510(⬇) | 710(⬇) | 520(⬇) | |
変更 | 2024-03-22 | 11,300(⬇) | 350(⬇) | 550(⬇) | 550(⬆) | |
2025-03 | 新規 | 2024-04-24 | 13,000 | 500 | 680 | 580 |
変更 | 2024-10-23 | 13,000(→) | 500(→) | 680(→) | 1,580(⬆) | |
2025-03 | 新規 | 2025-04-25 | 14,000 | 510 | 670 | 500 |
2【沿革】
年月 | 概要 |
1971年7月 | 東京都豊島区東池袋一丁目39番1号において、貴金属めっき薬品の開発、製造及び販売を目的として日本高純度化学株式会社を設立(資本金1,000千円) |
1979年3月 | 本店を東京都豊島区東池袋一丁目2番11号に移転 |
1981年7月 | 本店を東京都豊島区南池袋二丁目26番7号に移転 |
1988年3月 | 川口工場を新設 |
1999年8月 | MBOを目的とした合併を前提として、ジェイピーシーホールディング株式会社(設立1991年6月13日、本店所在地 東京都千代田区三崎町三丁目3番23号)が日本高純度化学株式会社株式を取得し、持株会社となる。 |
1999年11月 | ジェイピーシーホールディング株式会社を存続会社として、日本高純度化学株式会社を消滅会社とする合併を行い、商号を日本高純度化学株式会社、本店所在地を東京都豊島区南池袋二丁目26番7号とする。 |
2001年2月 | 本店を東京都練馬区北町三丁目10番18号に移転登記 |
2001年5月 | 移転登記後の所在地に設備を移設し業務開始 |
2002年12月 | JASDAQ市場に株式公開 |
2004年3月 | 東京証券取引所市場第二部に上場 |
2005年3月 | 東京証券取引所市場第一部に上場、川口工場を閉鎖し本社工場に統合 |
2005年4月 | ISO9001及びISO14001の認証取得 |
2005年9月 | 本社第二工場を新設 |
2009年12月 | 本社第二工場を閉鎖し本社工場に統合 |
2019年2月 | 一般財団法人JPC奨学財団を設立(2020年4月より「公益財団法人」) |
2022年4月 | 東京証券取引所プライム市場に移行 |
<日本高純度化学の価値創造ストーリー>
日本高純度化学株式会社(JPC:JapanPureChemical)は1971年の創業以来、電子機器の接点・接合に使われる「貴金属めっき薬品」を専門とする化学会社です。東証プライム上場企業でありながら、社員50名程度、さらにその8割ほどが理系出身という知識集約型・研究開発型の技術者集団です。
『化学の好奇心でエレクトロニクスに役立てる』の企業理念のもと、希少な貴金属資源の節減を実現する高品質な製品の提供を通じてサステナブルな地球環境を実現するとともに、ファインケミカルとエレクトロニクスの懸け橋として豊かな社会づくりの一翼を担っていると自負しています。
めっき技術は、時計や宝飾品等に用いる「装飾めっき」と、電子機器の接合等の「機能めっき」に大別できます。機能めっきの中でも、半導体などの最重要部品は接点の数も圧倒的に多く緻密な回路になるため、信頼性(絶対に錆びない等)の観点から金・銀・パラジウムなどの「貴金属めっき」が用いられます。
装飾めっきは、「この素材の部品にはどんな金属でおよそどのくらいの厚みでめっき(金属薄膜)をつければ色・輝きが綺麗に保てるか」という経験と匠の技をもって実現可能ですが、機能めっきは電子機器、電子部品の接合用のため精密度が桁違いです。規格が厳格に定められ、金属めっきの特性や信頼性が物理・化学の分野における原子や分子レベルの知見で裏付けされた技術でないと成立しません。酸化還元反応など、化学反応のメカニズムを明らかにしないと電子機器メーカー等の顧客から要求される機能が発揮できない世界です。(顧客側にはめっき技術の専門家はほとんどいないため、物理的・化学的にめっき反応を説明しないと理解が得られないということでもあります)。
当社が創業した当時のめっき薬品業界は、分野ごとに一定の特性が定められており「顧客はその特性に合わせてラインを調整しなければならない」という画一的なラインナップが一般的でした。
そこで当社は、希少かつ高価である貴金属めっきに事業を集中し、物理・化学の知見をもって貴金属めっき反応のメカニズムを徹底的に研究して、顧客に伴走しながら用途やライン毎に異なるニーズにきめ細かく対応する薬品を都度調合するモデルを立上げるとともに、定期的な分析により不足してきた成分を添加剤で補給することが可能な供給サイクルも確立しました。
加えて当社のめっき薬品には「貴金属消費量の節減につながる性能をもつ」という共通の特長があります。貴金属は高価でありムダ使いできないため「限りなく薄く、ムラなく、かつ必ず皮膜が形成される」ことが重要ですが、単純に通電してめっき皮膜を作るだけでは、厚みがバラバラだったり、一部分に皮膜が作られず電子部品そのものがショートして破壊されてしまったりします。当社のめっき薬品を用いるとそうした失敗がなくなり最小限の貴金属消費量でめっきができます。当社が編み出した特定の配合により化学反応が生じ、狙った箇所に狙った厚みで皮膜形成が適えられるからです。
このように、ライン立上げ時の利便性や柔軟性、めっき薬品の性能や歩留まりの高さによる希少な資源の節減、ひいてはライン全体としての低コスト化が評価され、顧客と長期にわたる関係を築き、当社は貴金属めっき薬品市場でトップクラスの地位を占めるまでになりました。
現代社会は人口増加や高齢化に伴う介護問題、エネルギー供給問題、気候変動や環境破壊、食糧の持続可能性など、抱えきれないほどの課題に直面しており、これらを克服して次世代に豊かな社会を残すためにも、エレクトロニクスの進化はますます重要になっています。例えば、AIやIoTを活用したスマートシティの発展によりエネルギーや交通の効率化が進み、より安全で便利な都市環境が整備されます。高速通信技術の進歩によって自動運転技術が発展して人々の移動の自由度が高まり、次世代医療技術の進化が遠隔治療を可能にし、無医村地域などの健康寿命も延伸されます。エンターテインメントや通信技術の発展も合わさって、人々の暮らしはより豊かで充実したものになるでしょう。
このような未来を支える基盤には半導体をはじめとした電子部品の高度化が不可欠です。例えば、コンピュータの計算速度が速まると高熱が発生するようになります。“ハンダ”では熱に耐えきれずに電子部品の接合が溶けてしまうので、より高い耐熱性能が求められるようになります。逆に人工衛星には極低温耐性が、人命に直接的に影響する遠隔医療機器や自動運転インフラにおいては「高速伝送」や「長寿命かつ高信頼を支える耐腐食性」などが重要になってくることが想像できます。
これらの実現を性能面、環境面から支えるのが、当社が長年向き合ってきた貴金属めっき技術です。高価で希少な貴金属の特性を活かし、用途に応じた高性能なめっき薬品に仕立てることによって強みを発揮しつづけるとともに、独自の省貴金属技術を通じて地球環境の持続可能性にも貢献することができます。
さらに当社は、将来を担う新しい事業領域として電池事業への挑戦を始めています。めっきにより起こる化学反応は酸化還元反応ですが、これは電池の基本原理そのものです。この反応を効率的に制御することが電池開発の本丸と言われており、当社の知見と技術を応用することで電池の大容量化や長寿命化、充放電の高効率化や高出力化が期待できます。
JPCの技術は無限の可能性を秘めています。化学の好奇心のもとで事業をさらに深化・進化・新化させ、より環境にやさしく、持続可能で豊かな社会づくりに貢献してまいります。